かあさん ちょいちょい がん患者

食道がんと咽頭がんと肺がんのお母さんと、家族と育児の闘病生活をイラスト日記にしました

犯罪裁判の過程で、犯人の大学名や、疾患名、障がいなどを公に報道する必要があるとは思えないのですが。

昨日から名古屋市内の大学生が犯した、様々な犯罪のニュースを度々耳にします。

被害にあわれた方の理不尽さを思うと、胸が締め付けられます。

 

裁判員裁判が始まったからですが、その内容を伝えるワイドショーなどで、殆どが弁護側の主張をこれでもか!と報道しています。

 犯人は精神疾患と発達に障がいがある。

その障がいの為に「自分の行動をコントロールする能力を失っていた」とか、「適切な治療や社会的支援が不足していた」などと、その疾患名や障がいの名前まで報道してあります。

 

この報道方法は、おかしくないですか??

 

無罪を主張したと報道するのなら

私は弁護士や検事ではありませんから、犯人が罪を負わない疾患名を、具体的に総ては知りません。殆どの人は知っているものなのでしょうか?

 

もし犯人側に無罪を主張する様な要素があった場合でも、まだ裁判の段階です。

その疾患名などを公に報道する必要がありますか?

 

私は癌患者ですので、癌を例えに使います。(癌患者の方スイマセン)

 

例えば「癌の副作用で錯乱状態に陥り、犯行に至った」という様な状況の場合(そんな副作用は知りませんので、仮想です)

その副作用が確証されない限り、また裁判結果で有罪が認められない限り、

報道側は「病気の治療中に、何らかの原因で錯乱状態に。。。」と言えば話は伝わると思います。

わざわざ「癌」とか「副作用」と報道する必要はないと思います。

 

今回の事件も、いたずらに精神疾患の名前を報道したり、障がいがあると際立たせて報道しているとしか思えません。

 

家庭環境や学校など置かれた組織の対応、可能であったなら治療や社会的支援の内容など、犯行に大きく関係したであろう重要な要素を具体的にもしないで、「無罪」と主張した理由をひとくくりに報道するのはいかがなものでしょうか。

 

 

その障がいが動機ではない

犯行の動機はもちろん重要です。

 

例えば、昔からある「無理心中」(こんなへんちくりんな言葉は日本語だけだ。殺人後に自殺だ)の動機で「母親が癌を苦に、残される子供を不憫に思い、子供を殺して自分も自殺した」という動機が示されたとします。

 もちろん同情論があろうとも、母親の行動は許される事ではありません。

母親と子供の置かれた環境も重要です。

 

しかも「癌」だろうが「重病」だろうが「重篤」だろうが、この事件には母親の病気の種類は関係すらないはずです。

ならば「癌患者」とは言わずに「病気」「やまい」と報道すれば良い。

 

その病気だから「犯行が起る」という様な印象を持たせてはいけないと思います。

 

また「動機」と「犯行の内容」に疾患名が関係なければ、具体的に報道しなくても話は伝わります。

 

大学名は必要か?

優秀な大学の学生が・・・と興味をあおりたいのでしょう。

以前でも犯行をした側が優秀な大学だと、その大学名が報道トップです。

大学名って必要です?

同じ大学に通う真面目な学生さんに、迷惑も甚だしいと思います。

 

自殺した生徒さんがいるような学校名は、ひたすら隠し通し、一年前にスキーバスの事故に遭われた未来を奪われた若者は、ひとくくりに「大学生」です。

(非常に優秀な大学生であったでしょうに、気の毒で涙が出ます)

 

棒読みの吹き替えは演出だ!

名古屋の大学生が裁判で語った内容を吹き替える音声です。

皆様は疑問に感じないのでしょうか?

 

ばかみたいに、わざとらしく、棒読みです。

まるで学生に感情が無いように!

これが韓国の裁判だと、吹き替えは感情的です。

 

私は人工喉頭機を使用した、まさしく音の抑揚も音階もない機械音です。

「何の音?」と言われて委縮しました。

ですから声の重要性は、人一倍わかります。

 

声の抑揚や表現や高低など、吹き替えの音声はとても重要です。

あのわざとらしい吹き替えは、名古屋の学生の個性を、面白おかしく脚色しているとしか思えません。

 

イメージを植え付けるな!

要は ↑ が言いたいのですが、このような報道を聞くと、精神疾患と闘っておられる患者さんや、障がいを個性と認め受け入れようとする、せっかくの努力をすべて踏みにじるように感じて、腹が立つのです。

 

私は障がい者です。

三年前まで健常者でした。

障がい者差別や精神疾患について、申し訳ない程、無関心でした。

しかしいざ自分がその身に置かれて、障がい者の方々が社会で孤立したり、疎外感や特別視されている(良い意味ではなく)様な対応を味わう、その無理解な社会を感じてきました。

 

もちろん声を大にして、優しい理解ある方々にお礼を伝えます。

しかし実際には、無関係、無関心な方々と、差別的な考えや偏見のある報道が、社会にはびこる事実に身が削られる思いがします。

 

 一人、テレビに怒っています。

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