かあさん ちょいちょい がん患者

食道がんと咽頭がんと肺がんのお母さんと、家族と育児の闘病生活をイラスト日記にしました

元気だけど、癌で障がい者でお母さんの私!頑張れ! と現実逃避する

ここ数日、風邪をひいたのもありましたが、マンガを描いてみたり、ひたすら小説を読んでみたり、現実逃避も甚だしい日々です。

ようやく24時間の腸ろうから、18時間くらいに減らして(1200カロリー)体重も安定し、6時間も自由時間を頂いたのに、有難いと動き回る気もしない情けなさ・・・

 

原因はこれから4月以降まで、私に予定されている様々な行事です。

 

娘ちゃんが中学校へ入学する

なにが??何がイヤなん??と思いますでしょ。

めでたいじゃんって!

だから今日のブログは、絶対!娘には内緒です。

 

娘は4月から学区外の公立中学校に進みます。

その学校は1学年300人近い、全校で800人以上いるようなマンモス校で、近郊の小学校4校が合同になります。

娘は沢山選択肢のあるクラブに魅せられ、勉強にも厳しいと有名なこの学校へ、仲良しさんと一緒に希望しました。学区外の少人数派です。

 

学区内の中学校は、1学年が100人もいないような小規模で、小学校の延長でしかないと娘は魅力を感じませんでした。

 

そこまでは良いんです。私の進学じゃないですから!

慣れた小学校から脱出し、新たな出会いを求めて、さぁ、突き進め~~!

 

そうして来週から、娘の進学する中学校で入学説明会や物品販売や、様々な学校紹介の為の行事が始まります。

 

私が困惑する、総て「親が付きそう行事」です。

 

今は何があっても保護者が同伴

最近のこういう行事は、全て親と子が一緒に参加します。

時には両親共に参加します。

席順も親子で隣り合わせです。

私の時代には記憶にありません。

 

あ~ぁ、私、声の出ない障がい者なんですよ。

人工喉頭機を使用した、非常にめずらしい声の持ち主です。

 

また珍しい声に、人の注目が集まります。

半径2メートルの人々が、コッソリまたは堂々と、

時にはビックリ仰天で凝視します。

 

おまけに癌患者で、腸ろう18時間です。

電話も出来ません。特別扱いをお願いしなくちゃいけません。

クラス役員だろうが、PTAだろうが、支部の役員だろうが、引き受ける事は出来ないんですよ。

クラブの遠征も保護者の付き添いも、お断りするしかないんですよ。

 

また1から病状の説明です。

先生や保護者、時には娘の新しいお友達まで「お母さんは癌患者」って宣言しなくちゃいけません。ご理解のほどを・・・と謝らなくてはいけません。

 

私の本当の声を知らない人たちと、新たに知り合う難しさ

 

新たなお友達を見つける難しさは、以前ブログに記しました。

私自身はもう半ば諦めていて、今のお友達を心から大切に感謝を持って接しています。

このブログも、時々コメントで共感して頂くだけで、もう幸せしあわせ!

 

でも娘と一緒では、話が違います。

 

中学生前後の子供は、残酷な面を持ち合わせています。

世に出る「いじめ」も、その残酷さとずる賢さを兼ね備えた結果です。

 

いい大人の私が、外で聞こえる「私の声を意地悪に真似した子供の笑い声」に、頭にきて沈んだ経験があります。

永久気管孔のエプロンを「よだれかけ」と言われて、意地になった経験があります。

 

もし私の声の事で、娘がからかわれたら?

真似をされるなどの意地悪があったら?

特別扱いをお願いする我が家に、ご理解が頂けなかったら?

三カ所の癌で、1年前まで抗がん剤で・・・なんて、もうすぐ死ぬと思われたら身も蓋もありません。

 

私自身が恥ずかしい、逃げたいなどと思ったら、生きていけない!

仲良しママにちょっと愚痴ったら「筆談で通せば?」と助言頂きました。

確かに筆談なら、喧しい場所でも静かな場所でも会話できます。

からかわれることもないでしょう。

行事の参加を控えても良いよね~。

 

そうか!!!と思ったけど

それは間違いだと気が付きました。

 

私はこれから一生、障がい者として人生を刻みます。

私の声は一生、元に戻りません。

私は一生、人命の利器を使用して会話をしなくてはいけません。

 

また私は、呼吸や摂食といった人間の生命を保持する基本的な必須機能に障害をきたしています。

これから一生、その後遺症と闘わなくてはいけません。

時間や体力に拘束条件が付きまといます。

 

それをもし、娘の前で、恥ずかしいからと、注目を浴びて可哀想だからと、私の障害を隠したり放棄してはダメなのです。

 

娘の前で、誰になんと言われても、私は生きる為に闘っているのだと、相手を説得しなくてはいけないのです。差別や区別意識を持つ人たちに、偏見を持たないようにお願いしなくてはいけないのです。

 

娘の前で、困難が待ち受けるであろう場面から、その都度わたしが逃げていたら、娘が可哀想じゃないか!申し訳ないじゃないか!

 

だから私は、誰が何と言おうとも

静かな場所でも注目を浴びても

人工喉頭機で堂々と話し

私は癌と闘っているのだから

お願いですからご理解くださいと

何回でも説明しなくてはいけないのです。

 

しかし!

この決意と待ち受ける労力が、いかに大変か分かって頂けるでしょうか?

 

娘に「図太い神経を持ち合わせているのよ~」と平然としなくてはならない「必要な演技」が、いかに大変か分かって頂けるでしょうか?

 

逃げてはいけない現実を、一番逃げたいのは私かも知れません。

正直に申し上げて、来週が嫌でイヤで、今日も私は現実逃避です。

長くなってスイマセン!

 

イラストは世界中の現実逃避です(笑)

ゴルフでも何でもやっちまえ!

 

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