なんとかなるよ、と病気に立ち向かった、その後の現実に直面する
年末年始に忙しくて、オマケに娘が冬休みで、なかなかブログに向き合えなかった言い訳ですが、今回の話題が一番重要で、尚且つ解決には程遠い、私の意気地なしシリーズ第三弾でございます。
これで最後です。
「どうにかなる」で済まされない現実
昨年のブログで、私の友人に宛てた「どうにかなるや~」です。
30代の若さで癌に立ち向かう彼女が、心配や不安を払拭出来る様にと、実際の私の経験から、必ず「どうにかなってくれるから」との思いを込めました。
このブログでコメントを頂いた、私と同じ病気と闘うもんどさんのご意見に、重病を告知された方の殆どが必要に迫られる「どうにかなるや」では済まされない、生活や仕事などの現実を考えさせられました。
三年前の私は、多重癌告知と病気を受け入れるだけで精一杯だった
三カ所の多重癌が発見された時、私は48歳で、専門学校で非常勤講師をしておりました。夏休みや冬休みなどの長期休みには、放課後児童クラブで非常勤の先生をしながら、運動場を子供たちと駆け回っていました。
息子は私立高校3年、娘は小3で、他の放課後児童クラブに預かってもらいながら、共働きもベテランでした。
もちろんおっと~も働いておりますが、住宅や教育などの経費も必要で、決して贅沢を楽しむような生活は出来ません。
そんな中、夏休み終了間際の出来事でした。
ブログの前半に記していますが、初診の検査から告知までは10日間、告知から抗がん剤までが1週間と、人生が変わっていくには余りに短すぎるスピードで進んでいきました。
特に私の場合は、手術後に失音障がい(失声障がい)を伴う永久気管孔や、肺の切除、食道全摘による長期腸ろうの選択を含む手術でしたから、健康な身体を諦めるのはもちろん、今までのキャリアも仕事も、もちろん普通の生活も、失うものが多すぎました。
簡単には言葉で申し上げられないくらいの衝撃でした。
その経験から、私は「きっと、なんとかなる」と自分に言い聞かせ、これ以上悪い事が起きません様にと、祈る思いで現状を受け入れようとしたわけです。
しかし差し迫る現実は、逃避できない
私の入院により、息子の受験や娘の世話、おっと~にのし掛かる責任と重圧など、家族間での様々な問題が浮上しました。
今考えるとおっと~の家族に助けられて、それぞれの努力と思いやりで乗り越えましたが、当時はそれぞれが大変なストレスと闘う日々でした。
(以前のブログに記してあります)
しかし今回は、もんどさんのコメントにもありますが、非常に重要で、誰もが直面する問題であります「金銭面」での現実を記そうと思います。
なにぶんにもH25年の事で、総ての領収書の金額をまとめておらず、しかも私は術後1年以上も抗がん剤と闘ったものですから、体調管理が優先で、総てを把握しておりません。手続きの殆どがおっと~の尽力です。
申し訳ないのですが、初期の抗がん剤2回と手術までの約3か月間にかかった、おおまかな費用です。
手術前の抗がん剤第1回目は、総額で991,030円とメモが残っています。
第二回抗がん剤は820,980円でした。
これには食費や特別室料金は(私は大変重篤な副作用の為、個室を余儀なくされます)含まれません。
手術は「手術費とその他」と私のメモに残されていますが、手術が3118,130円
麻酔やリハビリなどその他が1496,740円
ICUでの総額が9日間で4614,870円です。
入院日数は、抗がん剤から手術退院まで70日間です。
(その後のリハビリ病院への入院約2ヵ月は含まれません)
このうち、私達家族が支払った金額は685,812円です。
この総額と支払った金額をどう感じるか?
抗がん剤と手術で、総額は約643万円です。
何度も申し上げますが、この金額はH25年9月20日から12月14日までの入院期間70日間の医療費です。
また支払った約70万円は全てキャッシュで、入院前に10万円を前納し、退院時に残りを支払います。
ご存知の様にH25年当時、日本の高額医療自己負担限度額は大多数は83,400円です。
しかしこれは「ひと月分」ですから、私の様に月をまたいだ入院は「最低でも83,400円×2か月分」必要です。
またこれには、前途記しました食費や個室(私は1泊5,480円でした。どうしてその個室になったかは覚えていません)料金は含まれません。
私の大学病院では、医療証明書や転医の為の資料、院内外来(PET、手術前の歯科など)は、別途支払うシステムでした。
その他にも保険適応外の費用もあったと思います。
がん保険や生命保険についても考えてみていただきたい
お若い方は保険料が勿体ないと言われる方が多いと思います。
我が家はおっと~のご両親が、結婚を機に20年間もおっと~の生命保険に加入してくださいました。(有難い事に今だ一度も使わず、私が引き継いだ)
私も運が良い事に、40歳から郵便局の貯蓄型養老保険に加入してあったので、3分の1程度は保険で補う事が出来ました。
しかし、これは病院から医療証明書が発行された後になります。
また入院費以外の費用などを補う十分な保証が必要な場合は、高額な掛け金がになるなど、デメリットもあろうと思います。
私に何が出来るか?
結果的には非常に泥臭い話になります。
入院費の現金が手元になければどうなるのでしょう?
総額にあるような高額医療費の殆どを国が補うといった日本の医療保険制度
健康な方の掛け損になるのか?では病人が得なのか?
税金で払う必要があるのか?
私の様な一市民に、こんな大金を払う価値があるのか?
時々目につく世の中の批判的な意見が突き刺さります。
確かに、私を助けて誰が得をする??
私を「生きている」のだと言って下さる優しいコメントを頂いたことがあります。
でも現実を把握すると、やっぱり私は生かしていただいてありがとうございますと、頭を下げるべく立場と思えてしょうがないのです。
私はちゃんと生きる責任があるように思えて
生きて一人でも誰かの役に立ちなさいと
言われているような気がするのですよ。
私は無知で、知識では何一つお役に泣てません。
「医療システムの改善の為に」などと立ち上がる様な、強い意志も体力も持ち合わせていません。
ただ責任を感じて、頑張って生きています。
それだけです。
私に何が出来るでしょうか?
これが、第三弾の私は意気地なしです。
長い文章を読んで下さり、ありがとうございました。
また明日から、いつもの家族のブログです
(*^。^*)
もんどさんのブログです。
優しい言葉にホッとしますよ。