病気について
簡単に言えば 癌 です。簡単に言わんでも癌ですが。。。
三カ所いっぺんに発見。食道と下咽頭と肺に。
ですから、ひとつ二つの癌が見つかったからと言って落ち込むことはありませぬ!
食道と肺はお分かりになると思いますが、咽頭とは食べ物と空気が通る部分で、のどの一番奥の食道につながる部分です 。
気道とつながる部分は喉頭と言いますが、同じのどの部分です。
食道がんが「多発性」で(プチプチと数限りなく大小様々な癌が多発している)、下咽頭まで広がった状態でした。
肺は右下葉で、食道や下咽頭とは遺伝子型の違う全く別の癌でした。。。
では、その癌たちをどうしたかといいますと、下記イラストにてご説明いたします。
(超デフォルメ!キモかったらスイマセン!)
まず年齢や進行具合を考慮して、癌の部分は全て切除することになりました。
① 肺は癌部分を大きく切除。私は右下葉という部分をそっくり切除しました
食道と咽頭も全摘出です。
空っぽにしておく訳にもいかないので、再建手術が行われます。
②③ 切除された咽頭部分に小腸の一部を切り取って移植します。
④ 上記②③で移植された小腸に、細長く形成した胃を上まで持ち上げて、伸ばして腸とつなぎます。これが食道の代わりになります。
ここで大変困るのは、咽頭を切除してしまうと、空気と食べ物を分けるすべがなくなってしまい、唾液ですら気道へ流れ込みます。ですから、食べ物と空気の通り道を完全に分ける必要があります。
そこで、
⑤ 気道を前に出し、首の付け根に「永久気管孔」という呼吸をする入り口を作って気道とつなげます。
この穴は、一生ふさがらないようになっています。永久気管孔をつくれば咽頭を切除後も呼吸ができ、食事もできるようになりますが、声帯もいっしょに切除することになるので、声は出なくなります。
これが、私の障害である「咽頭摘出による音声機能そう失」です。
また、胃や移植小腸は閉じることが無いので、体の向きなどでも簡単に逆流をします。
胃のサイズもほぼ筒なので、たくさんの食べ物が入りきらず、消化もゆっくりしかできません。そこで、
⑥ 「腸ろう」と言い、腸にチューブを通して、点滴による水分と栄養剤を補給します。
私は、一回800㏄の栄養剤で、800キロカロリーを補給します。
直接腸に補給するので下痢を起こしやすく、1時間で65㏄、12時間と少し点滴しっぱなしです。その他、水分補給も合わせると、一日15時間以上は点滴棒を持ってうろうろしなくてはいけません。
取り急ぎ、これでも物凄く簡単に説明しましたが、この手術に20時間を要しました。滅多にない大手術出そうで、心臓移植より時間がかかったそうです。
私は寝ていただけ!
先生と家族がヘロヘロでした。